* 王子と契約彼女 *
「「ななっどういうこと?!」」
教室に入るとすぐ、真由美とちかが私に飛び掛かる。
「「優くんと付き合ってたの?!」」
優くんとの情報は、もう真由美とちかにも届いていたみたい。
真由美とちかは、すごく怖そうな顔をしてる。
「え、えへ‥」
クラスのみんなが見ている中、本当の事情を話すわけにも行かないため、私はこの場はごまかした。
「(真由美とちかには、後で説明しよう‥)」
「「なな〜〜〜〜〜!!」」
二人はまだとっても怖い顔をしてる。
嘘ついてたなんて酷い
そう言って嫌われちゃうのかな。
そんな不安がよぎるけれど、後で話せばわかってくれる‥よね?
でも、真由美とちかは私の思っていることとは違う言葉を口にした。
「「なな、やったじゃん☆」」
「ずるいーーーー!」
二人はがらりと表情を変え、笑顔で私にウインクした。
ちかはすこし悔しそうだけど。
「真由美〜〜‥ちか〜〜‥」
本当に私の事を応援してくれていたと、二人の優しさを改めて実感した私は、涙が溢れてきた。
「な、なに泣いてるのっ」
ちかはいきなり泣いた私にびっくりしている。
「よしよし」
真由美は優しく私の頭を撫でてくれる。
「ちょっと待ってて‥」
「「?」」
私はいてもたってもいられず、二人を目の前にしながらも、二人に優くんとの事情を書いたメールを送った。
―――♪♪♪
―――♪♪♪
真由美とちかの携帯に私からのメールが届く。
二人は不思議そうな顔をしつつも、何も言わずメールを読みはじめた。
‥‥‥
「「ぇぇぇえええ!!!」」
「‥というわけです」
二人は唖然とし、しばらく固まっていた。