* 王子と契約彼女 *
「そ、それで優くんと付き合えたんだ〜いいな〜全くもう!!!」
「な、なな、やったじゃん♪」
いきなり大声を上げた二人に、ざわめきだすクラスメイトを、必死にごまかす真由美とちか。
二人はなにやら携帯でメールを打ちはじめ、すぐ私の携帯に二通のメールが届いた。
―――♪♪♪
真由美からのメール。
"フリだって、近づけた事に変わりないよ!このままアタックして、本当に付き合えるように頑張れ☆"
ちかからのメール。
"ななに頼むってことは、ななのことちょっとでも気になってるってことかもよ?!やったじゃん!☆"
「‥」
二人の優しいメールを読み、また目頭が熱くなる私。
「本当、ずるいーーーー」
そこにちかがまた話しはじめた。
「でしょー☆☆」
すこし目をうるうるさせながら、私もちかの話に乗ることにする。
「見守っててね☆!」
(いろんな意味で。)
「「もちろん☆」」
こうして、真由美とちかとの友情は壊れることなく、むしろ前より絆が強くなった私たちは、そのままいつものように楽しく会話した。
‥そんな私を遠くから睨みつける女の子がいたなんて、私は気づきもしなかった。