* 王子と契約彼女 *
皆のもの
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あれから一週間。
毎日優くんと一緒に登校して、たまに一緒に帰ったり、学校で話したり‥、優くんと過ごす時間が増え、それも当たり前のようになってきていた。
「なな、放課後図書室でな」
「うんっじゃ、放課後ねー」
今日は放課後、課題を優くんに手伝ってもらうことに。
はじめは真由美に頼んだけど、真由美は用事があるらしい。
それを聞いた優くんが手伝ってくれることになったのだ。
「‥‥ヒソヒソ‥‥‥‥」
一週間経った今もなお、女の子たちが私を見て何か話している。
「(そりゃそうだよね‥いきなりこんな地味な子が現れたら‥誰だって嫌な気持ちになるよね‥)」
分かってはいるものの、いつもこんな状態が続くと、すこし気が滅入る。
「ななおはよっ!」
「ちかおはよー‥」
「‥なな、どうかした?」
さすがちか。私の気持ちをすぐ読み取った。
「ちか‥‥ううん、大丈夫!」
ただでさえ優くんの近くにいれる私は、皆にとってずるいのは分かってる。
それは、ちかに対しても言えることで。
私はこんな贅沢をしているのに、こんなちっぽけなことで相談に乗ってもらうわけには行かない。
この場は笑顔でごまかした。
「‥‥うん、わかった!」
きっとちかは私がごまかしているのを分かっているけれど、そんな私をも優しく見守ってくれた。
‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥
‥‥
‥
そしてすぐ、放課後は来た。