* 王子と契約彼女 *
「「なな、ばいばいっ優くんと課題楽しんできなよ〜」」
「うんっ!真由美、ちか、ばいばいっ」
真由美とちかが帰っていくのを見送ると、私も教室を出て図書室へ向かう。
私が教室を出てすこし経ったときだった。
「春風さん」
「?」
「ちょっといいかしら」
誰か知らない女の子が私を呼び止める。
「あ、ちょっと今は‥」
私が断ろうとすると、
「来なさいよ!」
「!ちょっ‥‥」
かなり怒った口調で、強引に私の手を掴み、どこかへ連れ出された。
‥‥‥
ドンッ
連れてこられたのは、誰もいないパソコン室。
「ちょっと、私今から約束が‥」
そのまま帰ろうとするが、また二人女の子が現れ、両方のドアの前に立って通らせてくれない。
「通してください‥!」
そして、彼女達は口を開いた。
「あんた、分かってんの?」
「優くんとデレデレして、なんなわけ????」
「うざいんだけど」
ものすごく怖い口調で、私は少し腰が引けてしまう。
けれど、ここで負けてはいけない、私は強気に出た。
「デレデレしてるつもりはないよ」
「ふざけんな。今からだって優くんと約束してんだろ?」
「そうだよ。だから、通して。」
バンッ
「痛っ‥‥‥」
私は三人の女の子達に押し倒された。
「優くんは皆のものなの」
「あんたじゃ釣り合わないんだよ」
「早く別れろよっ」
怖い。
私は何も言い返せなかった。
「ななーどこーー?」
すると、廊下から私の名前を呼ぶ優くんの声。
「なっ夏川くんだっっ‥」
「い、行こっ‥」
優くんの声を聞き、慌ててパソコン室から逃げる女の子達。
「なな見なかった?」
「わ、わかりません‥」
廊下から優くんと女の子達が話しているのが聞こえた。
そして、優くんがパソコン室へ。