* 王子と契約彼女 *




「ななっ」

「ゆ、優くんー‥‥‥‥」

「どうした?尻餅ついた?」

「優くん‥‥‥‥‥(涙)」



優くんが来てくれた安心感に、私は泣いてしまう。



「なな‥?‥大丈夫だよ」



優くんは優しく抱きしめてくれて、私はそのまま、優くんの肩に顔を隠しながら、しばらく泣きつづけた。



‥‥‥‥‥‥



「なな、落ち着いた?」

「うん、ありがとお」



泣ききった私に、優くんが小さく話しかけてくる。



「俺のせい‥だよな?」

「え?違うよ?」



必死でごまかす私。



「さっきの子達になんか言われたんだろ?ごめんな‥」

「大丈夫っ、本当なんでもないから」

「嫌なら言ってな?」

「?」

「フリなのに、嫌がらせされて‥たまったもんじゃないだろ?」



優くんの優しさに、また泣きそうになる私。



「本当大丈夫っ」

「‥課題やり行くか!!」

「うんっ☆」



優くんが話題を変えてくれて、私と優くんは図書室へ向かった。



「‥///」



図書室へ向かう途中、優くんの肩で泣いてしまったのを思い出して赤面する私。



‥‥‥‥‥‥‥



「ここわかる?」

「うーん‥わかんない‥」

「ここはー‥こう!」

「‥?」

「だからあー‥‥」



図書室へ着き課題をはじめるけど、優くんの教え方は意外とハードだった。



「‥終わったな!」

「(つ、疲れた‥‥‥)」



さっきあったことは全て忘れ、優くんのハードさに一気に体力を奪われた私。



「ちょっと待ってて‥」

「?」



課題が終わると、優くんは私を残してどこかへ行ってしまった。




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