* 王子と契約彼女 *
それから、優くんは黙ったまま夕焼け空を見てて。
私は何も聞けなかった。
けど、思ったんだ。
例えフリだとしても、私は優くんの近くにいて。
"皆のもの"と今日の女の子達が言ったこと、私も以前言ってたことを思い出して。
振られても構わない、だから
優くんに告白しよう。
「(振られるのは目に見えてるけど‥)」
だから、今このときだけ。
このときだけは、優くんの隣にいさせてほしい。
そんな我が儘を夕焼け空に訴えかけながら、
私と優くんはしばらく、黙ったまま綺麗な夕焼け空を見続けた。