* 王子と契約彼女 *
第2の王子
「真由美、ちか、おはよー☆」
「「なな、おはよっ☆」」
「昨日、どうなったぁ?」
ちかが早速、昨日のことを聞いてくる。
けど、あの屋上のことは‥誰にも秘密。
まあ、ただ二人で夕焼け空を見ていただけだけどね‥。
「普通に課題やっただけだよ〜」
「え〜つまんない〜」
ちかは面白がってる。
「そういえば、今日転校生来るんだって!」
「転校生‥?」
あと1週間と少しでテスト、夏休みだというのに、こんな時期に転校生だなんて‥
「男の子だってぇ♪」
ちかは男の子の話になるとテンションがぐんと上がる。
「彼氏いるくせに‥ボソッ」
真由美はいつも男の子の話に興味なし。そして、ちかを冷静に切るのが真由美。
「別なんだって☆」
「わかんないなあ」
この会話、何回聞いたことか。
私が苦笑いしていると、
「ななちゃーん☆」
何か聞き覚えのあるような、ないような声が私を呼ぶ。
「ななちゃーん!おはよ♪」
「あ、おはよう!」
私を呼んだのは、昨日の職員室の男の子だった。
「俺今日ここに転校してきたんだ!昨日はありがとう♪」
「あ、そうだったんだ!いえいえ〜どういたしましてっ」
ざわざわざわ‥
気付くと、周りの女の子達が騒ぎ出していた。
「「かっこいい〜〜〜〜!」」
「「きゃー!やばい!!!」」
さすがハーフ顔。
優くんに負けず劣らず、女の子達に囲まれている。
そして、標的は私にうつった。
「「ちょっと‥あの子、なに?優くんがいるくせに‥」」
「「さいてー‥」」
話していただけなのに。
女の子は怖い。
そして、いきなりちかが割り込んできた。
「はじめましてぇ☆ななの友達でぇす☆」
ちかは口調が甘くなっていた。