* 王子と契約彼女 *
―――――
―――
―
「もおお‥無理い‥‥‥」
「おもしろくなりそう♪」
「なな、がんばって」
放課後。真由美とちかと私は自販機のある廊下で固まっていた。
私は疲れで床にへたりこむ。
今日1日は、本当に大変な1日だった。
いきなり男の子から告白?を受けたあと‥
――――――
―――
キーンコーンカーンコーン‥
私が口を開いたまま固まっていると、チャイムに助けられる。
「!」
私は意識を取り戻し、自分の席へ戻った。
さっきまでいた女の子達も自分の教室、席へと向かい、ちかも席へ戻り、男の子もどこかへいってしまった。
チャイムのおかけで助かったとチャイムに感謝する私。
「よーしはじめるぞー」
先生が教卓のところでみんなに号令をかけた。
「今日は転校生を紹介する!」
ガラッ
先生の合図とともに、さっきの男の子が教室に入ってきた。
「‥薫です。よろしくお願いします」
男の子は少し緊張ぎみで、でも人懐っこく挨拶した。
「「同じクラス?!やったああああ☆」」
男の子が挨拶するとすぐ、クラスの女の子達は盛り上がりはじめた。
「(同じクラス‥‥‥‥)」
私は、なにか嫌な予感がした。
そして、その予感は的中。
「じゃー‥席は春風の隣な」
「(はぁぁぁあああー?!)」
この時、どれだけ先生を悪魔と思ったか。
そして、男の子は私の隣の席に座る。
「よろしくね♪ななちゃん♪」
さっきの緊張顔と打って変わって、私に微笑みかけてくる。
「薫って呼んでっ」
「薫‥くん‥」
「「薫くぅーん♪♪」」
クラスの女の子達は目をハートにして薫くんを、薫くんは私を見つめ、私は視線のやり場に困っていた。