* 王子と契約彼女 *
「ななは、嫌なんだね?」
「うん‥」
帰り道。私は薫くんのことを話した。
「わかった☆俺が守ってやる☆」
優くんはニカッと笑って、頼もしい事を言ってくれた。
「どんな噂流れても、俺信じないから大丈夫♪」
「うん☆」
優くんの笑顔を見てると、自然と安心できる。
そして、優くんは言った。
「でもさ‥ななは本当にいいの?俺と付き合ってるフリなんて‥いきなり頼んだのに‥好きな人出来たら大変だろ?」
そんなの、いいに決まってる。
だって、好きな人は優くんなんだから‥。
そして、私はある質問をしてみることにした。
「ぜーんぜん大丈夫♪けど‥優くんこそ、なんで私なの?私でいいの?」
「俺?ぜーんぜん大丈夫♪」
期待とは裏腹に、私の言葉を真似されただけだった。
しかし、続けて優くんは言った。
「俺はなながいればいい♪」
「(え‥‥‥‥?)」
優くんは笑顔で、さらっと意味深な事を言った。
「なな‥?俺ここ曲がるから、じゃあな?」
運悪く優くんとの別れ際まで来てしまい、さっきの意味深な言葉の意味を聞くまえに、優くんは行ってしまった。
「ば、ばいばい‥」
さっきのは、どういう意味なんだろう?
この日は寝るまでずっと、
"俺はなながいればいい♪"
この言葉がひっかかっていた。