* 王子と契約彼女 *
嫉妬
「「"なながいればいい"ってぇえ?」」
昨日のことを真由美とちかに話すと、二人ともニヤついた顔で私を覗き込んできた。
「それって、普通に告白?」
「けど、その後何も言われなかったんでしょ?」
二人は私と同じく、あの言葉の意味がわからないみたい。
そして、私達が話していると‥
「なーなちゃーん♪」
また、薫くんが私のところへ駆け寄ってきた。
「おはよっ」
「お、おはよう‥」
「ねぇー、ここ分からないんだあ、教えて?」
薫くんは数学の教科書を片手に私ににっこり微笑みかける。
でも、今は優くんの言葉が気になっていて薫くんに構っている場合ではない。
「ん‥ごめん。今はちょっと‥」
「えー、分かった‥。じゃ、☆」
チュッ‥
「!!!///」
薫くんは私の頬に軽くキスをして、行ってしまった。
「///」
こんなことされたの、はじめて。
私は少し顔を赤らめる。
「うわあ〜薫くん、やるね」
ちかはまた面白そうに言ってきた。
「今みた?!薫くんが春風さんにキスしてた!」
「うそ?!」
「やっぱ付き合ってるわけ?!」
遠くから女の子達のガヤガヤ声が聞こえてきた。
また変な噂にならなきゃいいけど。
きっと広まるだろう‥。
「(でも優くんは信じてくれるもん♪)」
私は余裕の顔をした。