* 王子と契約彼女 *
バレた?!
「「なな、おはよー!」」
「真由美、ちかおはよっ♪あのね、しばらく一緒に帰ろ?」
朝、真由美とちかと挨拶を交わしてすぐ、帰りの件を話す。
「なんで?優くんは?」
真由美が私に問い掛けてきた。
「優くんしばらく部活なんだって〜(泣)」
「ああ!試合近いもんね!」
さすが優くんファン。
ちかは試合のことを知っていた。
「だから、一緒に帰ろう〜」
「「わかった☆」」
二人に了解をもらい、時間なので席へ戻る。
「なーなちゃん♪おはよっ♪」
席に座ると、早速隣の席の薫くんが話しかけてきた。
「ねえ〜今日1限目の数学の教科書忘れちゃった」
「へー‥」
わざと無反応を見せる私。
「へー‥って!酷い(泣)見せてー(泣)」
「わ、わかったよ‥(汗)」
隣で泣き出しそうになる薫くん。
隣の席だし、そんな顔されたら見せないわけにはいかない。
「ありがと〜♪ななちゃん大好き♪」
「ちょっ‥!」
薫くんは表情をがらりと変え、万遍の笑みで私に抱き着いてきた。
「はじめるぞー。」
私が薫くんを振り払おうとしていると、先生が来て号令をかけてくれたおかけで薫くんが離れてくれた。
「明日明後日と、放課後残ってやってもらいたい作業があるんだが、誰かやってくれないか?」
先生がクラスのみんなに問い掛けるも、もうすぐテスト。
テスト勉強はしなくとも、放課後残るなんてごめんだ。
クラスのみんなはだんまり。
「‥じゃあ‥」
挙手がないので、先生が勝手に選び出す。
「(私じゃありませんように‥)」
「春風、お願いできるか?」
「‥‥‥‥‥‥‥はい‥‥。」
‥来てしまった。
強く願えば願うほど、当てられてしまうくじ運の悪い私。
仕方なくOKした。