* 王子と契約彼女 *
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「身が持ちません(泣)」
「モテモテだね〜」
真由美とちかとの帰り道、私はすっかり薫くんのアタックに疲れ果てていた。
「明日、二人っきりでしょ?」
「先生一緒かなぁ?」
「さあ‥‥‥‥」
「真由美とちかも付き合ってよう(泣)」
「ごめん、なな、家の用事あって‥」
「私もごめん、バイトある‥」
「そんなぁ〜〜〜〜(泣)」
優くんに薫くんのこと気をつけろって言われたばっかりなのに。
既に先が思いやられる。
「がんばれ!」
「この前みたいにほっぺにチューされちゃダメだよ?」
真由美がまさしく私の考えていた心配事を言った。
「うう‥がんばる(泣)」
半ベソをかきながら答える私。
そしてまさか明日の放課後、あんなことがあるとは知らないまま、私は真由美とちかと別れて家に帰った。