* 王子と契約彼女 *
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そしてあっという間に来てしまった、次の日の放課後。
「春風と薫、いるな。」
先生が来て、私と薫くんがちゃんと居残っているか確認をする。
「先生、何すればいいんですかー?」
薫くんが先生に問い掛けた。
「ん?簡単なことだよ。」
ドシッ
先生は簡単と言いながら、大量の紙を教卓に置く。
「この前やったアンケートの集計を調べてほしいんだ」
「「これを‥?」」
確かに、ずっと前にやった覚えのあるアンケート。
どうやら量からして、全校生徒分あるみたい。
「全校生徒分だ。」
「(やっぱり‥。)」
「先生が担当だったんだけど、今日会議があってさ‥頼むな」
そう言って先生は立ち去ろうとする。
「え‥先生、これを二人でですか?」
「おう、頼んだぞ」
‥先生は行ってしまった。
まさかの、二人きり。悪夢だ。
「二人きりだね〜♪」
薫くんが楽しそうに話しかけてきた。
「さ、やりますかっ」
私はそんな薫を無視して、さっさと終わらせようと集計をはじめる。
「「‥‥‥‥‥‥」」
案外薫くんも集計に集中して、二人の会話は静まる。
「(この調子なら意外と早く終わるかな‥)」
大量のアンケート用紙を抱えながら、黙々と集計を進めると‥薫くんが口を開いた。
「ななちゃんさぁ‥」
「ん?」
「優先輩のどこが好きなの?」
「え゙?!」」
いきなりその質問か。
更に薫くんは問い掛ける。
「どこ?教えてー」
「私はー‥あの笑顔とか。優しいところとか‥」
「それだけ?」
「え‥私の事いろいろ助けてくれたりするし‥」
「ふぅん‥」
自分で聞いときながら、薫くんは少し気分悪そうに答える。
「優先輩ずりぃなぁ」