* 王子と契約彼女 *
「ゆ、優くん‥?」
恐る恐る優くんに話しかける。
「はぁ〜〜〜‥心配したぁ」
すると、優くんはいきなり道にへたりこむ。
「優くん?!」
「ばれて脅かされたか?」
「あ、違うよっ」
「‥心配したんだからな」
「ご、ごめん。」
「ふぅ‥」
優くんは膝を払い、立ち上がる。
「やっぱなな一人じゃ危ねえな。友達はどうしたん?」
「それが、今日運悪く薫くんと二人で居残りで‥」
「あー‥最悪だな。」
「優くん‥‥‥‥」
優くん、さっき私の言った"好き"聞いたのかな?
「ん?」
「あのね、さっきの"好き"は‥」
「ああ。諦めさせる口実だろ?分かってるよ」
「え‥」
違う。違うのに。
なんかショックで、訂正できなかった。
「さ、送ってく。」
優くんはいつもの笑顔に戻って、また自然に私と手を繋いで歩きだした。
「‥そういえば優くん、部活は?」
「‥‥‥‥‥あ"!!」
「え!?」
「やべぇ‥。何も言わずに来ちゃった‥」
「えええ‥‥‥‥」
「ま、いっか。」
隣にいる優くんはとっても頼もしくて、繋いでいる手からは温もりを感じた。
「優くん、大好き」
「おう///」
私は本気で言ってるのに、優くんには届いてないみたい。
ちょっとがっかりしてる私をよそに、優くんは顔が真っ赤になってたなんて、私は知らない。