* 王子と契約彼女 *
「ななーっおはよっ♪」
「あ、ちかっ♪おはよう♪」
朝教室に入ると、早速ちかがヒソヒソと話しかけてきた。
「8月1日、10時に真由美んちに集合ね☆」
「うん?‥」
「誕プレも忘れないでよぉ?!」
そう言ってちかは席へ戻ってしまった。
「(あ、そっか!8月1日は真由美の誕生日!)」
そう、8月1日は真由美の誕生日。
ちかが4月の誕生日のとき、真由美と3人で朝から泊まりでお祝いした。
そのとき決めたんだ。
それぞれ3人の誕生日、3人で祝おうねって。
「(すっかり忘れてた‥‥‥‥って、8月1日?!)」
真由美の誕生日を思い出すとともに、昨日の優くんとの約束も思い出した。
「(どうしよぅ‥被った‥!)」
焦る私。
「(優くんとお化け屋敷行きたいけど‥やっぱり‥真由美の誕生日が優先だよね!)」
恋より友情だ。
私は優くんにいけなくなったことを話すため、優くんのいる教室へ向かった。