* 王子と契約彼女 *
ドーン!ドーン!
「お腹いっぱいー。」
「私もー。」
お腹いっぱい食べた後、この一言だけ言って、また無言になる私たち。
ドーン!ドーン!ドーン!
花火も終盤になり、スターマインが上がりだした。
花火の音だけが響く中、ハッと何かに気づく。
「(こ、これは‥告白の‥チャンス?!)」
忘れかけていた"告白"が、今が絶好のチャンスだと気づいた私。
いざ告白するとなると、激しく緊張してなかなか口が開かない。
「あ‥」
「あー」
私が小さく「あ‥」と言いかけたと同時に、優くんは大きく呟き、私の声が掻き消される。
「今日ななと来れてよかったー。来れないって聞いたとき、めっちゃショックだったもん。」
「ご、ごめん(笑)私も優くんと来れてよかったよっ」
「まぢ?!やったー」
優くんは花火を見ながらにっこり笑った。
「あ、あのね‥!」
今がチャンスとばかりに、私は口を開く。
「んー?」
優くんが私の顔を見る。
それに更に緊張して、なかなか次の言葉が言えない。
「‥?」
「あの‥ね、私‥」
私の緊張が伝わったか、優くんは何も言わず、じっと私が言うのを待っていてくれた。