坂道
奈央は裕美へのメッセージを書き終わると、静かにノートを閉じてケンジに返した。
しばらく考え事をしていたケンジが、ふと口を開いた。
「なあ、奈央。みんなの連絡先、今分かるか?」
「え…?分かるけど、どうするの…?」
ケンジが自分の意図を奈央に言うと、奈央は頷いてアドレス帳をカバンから取り出しケンジに差し出した。
ケンジは礼を言いながらそれを受け取ると、店の入り口にある公衆電話へと走っていった。
きっと、裕美も知らず知らずのうちに、こんな風にケンジから力をもらっていたのであろう。
そう考えると、奈央は少しうらやましく思った。
やっぱり二人の間には入れない。
亡くなってしまった今ですら 。
しばらく考え事をしていたケンジが、ふと口を開いた。
「なあ、奈央。みんなの連絡先、今分かるか?」
「え…?分かるけど、どうするの…?」
ケンジが自分の意図を奈央に言うと、奈央は頷いてアドレス帳をカバンから取り出しケンジに差し出した。
ケンジは礼を言いながらそれを受け取ると、店の入り口にある公衆電話へと走っていった。
きっと、裕美も知らず知らずのうちに、こんな風にケンジから力をもらっていたのであろう。
そう考えると、奈央は少しうらやましく思った。
やっぱり二人の間には入れない。
亡くなってしまった今ですら 。