坂道
「仲のよかった奈央と同じ学校に入れたし、クラスで香澄という親友にも出会えた。」
その言葉に、香澄と奈央は恥ずかしそうに、互いに向かい合って微笑んだ。
「私のくじけそうな心を励ましてくれた土門君、アドバイスをしてくれた尾上君にも感謝してる。」
微笑みながらそう言う裕美に、二人はうれしそうに頷いた。
「そして…。」
裕美は、言葉に詰まった。
しかし、必死に心を奮い立たせる。
「そして、ケンジくん。ありがとう。」
その吐き出すように言ったまっすぐな言葉に照れるケンジに向かって、尾上が冷やかしの声を上げた。
それに続くように、香澄と奈央がにっこりと笑った。
しかしただ一人、土門は無言で裕美の顔を見つめていた。
そう、裕美の口元が、今にも崩れんばかりに震えているのに、彼一人が気がついていた。
その言葉に、香澄と奈央は恥ずかしそうに、互いに向かい合って微笑んだ。
「私のくじけそうな心を励ましてくれた土門君、アドバイスをしてくれた尾上君にも感謝してる。」
微笑みながらそう言う裕美に、二人はうれしそうに頷いた。
「そして…。」
裕美は、言葉に詰まった。
しかし、必死に心を奮い立たせる。
「そして、ケンジくん。ありがとう。」
その吐き出すように言ったまっすぐな言葉に照れるケンジに向かって、尾上が冷やかしの声を上げた。
それに続くように、香澄と奈央がにっこりと笑った。
しかしただ一人、土門は無言で裕美の顔を見つめていた。
そう、裕美の口元が、今にも崩れんばかりに震えているのに、彼一人が気がついていた。