坂道
第一章 はじまり
公園にて
やばい、やばい。
こんな時に限って、野球部のミーティングがのびるなんて!
高校一年のケンジは全力で自転車のペダルをこぎ、校舎のある丘の上から続く、長い坂道をくだった。
ケンジは公園につくと、自転車を乱暴に乗り捨て、長いポールの上につけられた、時計の針を見つめた。
時計は、午後九時を回っている。
「二時間以上も、待っていないだろーなあ。」
ケンジはそうつぶやくと、肩で息をしながら辺りを見回した。
こんな時に限って、野球部のミーティングがのびるなんて!
高校一年のケンジは全力で自転車のペダルをこぎ、校舎のある丘の上から続く、長い坂道をくだった。
ケンジは公園につくと、自転車を乱暴に乗り捨て、長いポールの上につけられた、時計の針を見つめた。
時計は、午後九時を回っている。
「二時間以上も、待っていないだろーなあ。」
ケンジはそうつぶやくと、肩で息をしながら辺りを見回した。