坂道
「あ、来たぞ。」


そう言う土門の声に、ケンジは咄嗟に体育館の入り口を見た。



そこには、薄いブルーのセーラー服に身を包んだ香澄と奈央の姿があった。



「久しぶり!」


そんな香澄の声に、土門が明るく手を振る。



そばに駆け寄って来た奈央は、浮かない表情のケンジを見て怪訝そうに尋ねた。


「どうしたの?ケンジ君。」
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