坂道
やがて徐々にバスは動き始めた。



「馬鹿やろう。友達を騙しやがって。」

そう悪態をつくケンジに向かって、土門は走り出すバスの窓から上半身を乗り出して指笛を鳴らした。


そんな冷やかす親友を乗せたバスを見送りながら、ケンジは思わず苦笑した。
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