大好きだけじゃ、足りない
私は小原先生に呼び出され、
視聴覚室に連れて行かれた。

小原先生「どしたの?」
真奈  「え?何がですか?」
小原先生「さっき。授業中!泣いてたじゃん」
真奈「ああ…な、なんでもないです」
小原先生「相沢が泣く時はなんかあった時だろ」
真奈「なんでもないですよ、本当に。
   問題が分からなくて困ってただけです!!」
小原先生「小学生かお前は。」

先生はそう言って笑った。
その笑顔も、一人占めしたいよ…。


小原先生「…てかさ、相沢なんで屋上来ないの?」
真奈「っ…それは、授業真面目に受けないと
成績下がっちゃいますし!
それにテストもやばいしっ」
小原先生「…そっか。」

小原先生は、少し、少しだけ
淋しそうな顔をした。

なんで…。


キーンコーンカーンコーン

真奈「あっ本鈴!!私授業行かなきゃ!!」
小原先生「そうだな!俺も戻らないと。
     また相談しろよな」

先生はそう言って
授業に行ってしまった。


…どうして、
悲しそうな顔を
したのですか?



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