大好きだけじゃ、足りない
私は涙を拭いながら先生の質問に答えた。
真奈「別に、大したことじゃないよ。私
泣き虫だからね。」
小原先生「か弱い子アピールさりげなく
すんなよ」
真奈「違うもん!!!」
先生はクスッと笑った。
小原先生「あっ。てかお前がここにいる
の、珍しくね?なんで?」
真奈「先生がこの間、私に会えなくて
淋しそうだったから来てあげた」
小原先生「じゃあなんで泣いてたわけ」
真奈「成績が落ちちゃって家族とうまく
いってないの。」
もちろん、嘘。
だってそうでもしなきゃばれてしまう。
小原先生「そっか。俺もあったなあ〜」
先生は切なそうな顔をした。
なんだか泣きそうな顔をしていた。
真奈「…先生?どうかした?」
小原先生「いや。なんでもない。」
先生は涙目だった。
過去に、
もしかして何かあるのかな…
小原先生「…もうすぐ授業終わりだな」
真奈「…うん」
授業が終わることが
なんだか寂しかった。
夏休み前の水曜日は
今日が最後。
先生に会えなくなっちゃうなんて…。
あっ!そうだ!!
真奈「先生」
小原先生「相沢」
名前を同時に読んだことが
なんだか可笑しくて、
二人で笑った。
小原先生「あっいいよ。先言って?」
真奈「…やっぱいい。先生は?」