大好きだけじゃ、足りない
屋上へ走った。
誰もいない、青空が綺麗に見える
大好きな場所。


私の気持ちも知らない雲は、
悠々と流れていく。


真奈「…っ、ひっく…うっ…」
屋上で一人、涙を流す。




「…どうした?」




…え…
誰か、いたんだ…




顔を上げると…


真奈「先生…」

2年D組の担任、小原勇人(こはらゆうと)。
数学の先生。
歳は若いけどクールな男の先生。
2Dの人はかっこいいって
言うけど、私にはよく分からない。




…って、やば!
授業サボってんのバレる!!


真奈「あっ…なんでもないです、
授業、も、戻らなきゃ!!」

小原先生「大丈夫。言わないから(笑)」

真奈「えっ…あ、ていうか先生もなんで
ここにいるんですか?」

小原先生「俺この時間授業無いから、いつもこの時間は屋上にいる」

真奈「へぇ…」

小原先生「で、どしたの」

真奈「ちょっと友達と喧嘩しちゃって…まああたしが悪いんですけどね」

小原先生「そっか…まあそーいう時期もあるわな。女子だし…」

真奈「あは…」

やばい、思い出したらまた涙が…
先生には見えないように、
俯いて涙を流す。

小原先生「泣くなよ」

真奈「す…いませ…っ」

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