最低男に恋をして。
1
高嶺悟
「あぁ、やば。」
鏡に映る、目が腫れた不細工な顔。
何を隠そう、
それは正真正銘私の顔だ。
「ねぇ、お母さーん
冷やしタオルー」
と、言ったところで、望みの品が出てくるわけもなく。
「お母さん忙しいんだから自分でやって!」
お父さんが単身赴任になったのは
私が六歳のころ。
で、
七歳になったとき
お母さんが昔働いていたエステサロンで
また働きだして。
それからは
家の家事は私がしていた。