最低男に恋をして。
「友達じゃないわよ。
知り合い。」
「じゃあ、友達は?」
「いらないわよ、そんなん」
…さすが加奈子。
失笑して、
前にいる加奈子の友達…
いや、知り合いを見る。
加奈子の知り合いは私の知り合いでもあるみたい。
そこに居るのは、
最近あれ以来、全然話してなかった唯くん。
「加奈子、唯くんと知り合いだったの?」
「違うわよ。
茉莉子の知り合いでしょ。」
「ほー。」
つまり、加奈子は知り合いさえ居ないのね。
「茉莉子、浴衣なんだ?」
失笑してる私に笑いかける唯くん。
久々に見る笑顔は、少し寂しそうに見えた。