最低男に恋をして。
「でも、」
夕方の公園は思ったより静かで
私の声が遠く響く。
「変える。」
「っえ?」
「好きでいるのを止めるのは無理だったの。
だから好きの種類、変える」
「茉莉子…?」
これで、いいんだ。
うんん、
これが、いいんだ。
高嶺悟に、
恋をしたから辛かった。
だったら、
憧れの方が楽だった。
届かないって、
心にブレーキかけてなかったからダメだった。
なら、憧れにしよう。
高嶺悟は、
ただの憧れの人。
…好きだけど、恋愛ではない。