最低男に恋をして。



「それだよ。なんで?」

「あの…」

なんで?って、何よ。
何がなんで?

あまりに言葉足らずな彼に眉をひそめた。

「いつから俺はお前の
"先輩"になったんだよ?」

…先輩になった?


いやいや、
もともと先輩でしょ?

「あの…先輩ですよ、ね?」

「俺は、お前が後輩だなんて思ったことなんてない。」

ズバッと胸に何かが突き刺さった。


後輩でさえ、
いちゃいけないの?

ねぇ、
じゃあどうして会いに来たの?

それとも違う?

もう俺を忘れろ
って、釘を刺しにきたの?


だったら、その方がいい。

ずっとずっと楽になれる。




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