最低男に恋をして。
「あ、はい。
ありがとうございます」
男兄弟だったために
娘に飢えていたお袋からしたら
ちっちゃくて
可愛らしい茉莉子は
理想の娘なんだろうが……。
「お袋、
今ちょっと急いでるから。」
今日は
貸してやる心の余裕はない。
「あるとしたら多分
部屋だと思うから…。」
「うん。」
ニッコニコの茉莉子。
「なに笑ってんだよ?」
「悟パパかっこいいねー?」
……どこが。
「悟の将来がね。
楽しみになったの。」
ニコッ
綺麗に笑って見せた茉莉子。
あぁ。
これは、
可愛い。
「……茉莉子…」
小さな身体を引き寄せようと手を伸ばす。
が。
「指輪みつかるまで
チューはなしだよ?」
は?