最低男に恋をして。


「あ、はい。

ありがとうございます」

男兄弟だったために
娘に飢えていたお袋からしたら
ちっちゃくて
可愛らしい茉莉子は
理想の娘なんだろうが……。


「お袋、
今ちょっと急いでるから。」

今日は
貸してやる心の余裕はない。



「あるとしたら多分
部屋だと思うから…。」


「うん。」


ニッコニコの茉莉子。


「なに笑ってんだよ?」

「悟パパかっこいいねー?」


……どこが。



「悟の将来がね。

楽しみになったの。」





ニコッ
綺麗に笑って見せた茉莉子。




あぁ。

これは、
可愛い。








「……茉莉子…」

小さな身体を引き寄せようと手を伸ばす。











が。









「指輪みつかるまで
チューはなしだよ?」














は?







< 261 / 269 >

この作品をシェア

pagetop