最低男に恋をして。



唯くんは髪も明るい茶色。
でも、あの男は真っ黒。
本当、
不自然なぐらいに真っ黒。
目の色も、眉毛も、全部。

で、普通は黒髪なら真面目そうなのに
あの男の場合は髪から覗く耳にキラキラピアスが光ってる。


「見た目もだけど、中身も。」

「中身?」

ユリはコクリと頷いた。



「高城先輩はさぁ、優しくて…
誰に聞いても評判いいじゃん。

でも慶先輩はヒドいもんよ。
抱いたらポイだし、誰に聞いても評判は最悪よ。」

「え?じゃあなんで…」

「うーん。
みんな、彼の"特別"になりたいんじゃない?」

私にはわかんないけど
と付け加えてから
自分の席に戻っていったユリ。



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