最低男に恋をして。



「お前が置いてったんだろ。
ビンタされた日。」

「あ~…。」

そっか、
そういえば英語の教科書なくしたんだっけ。


「すいません、
ありがとうございます。」

一応お礼を言ってから、
高嶺悟の手にぶら下がる英語の教科書に手を伸ばす。


「っえ…ちょ!」

掴もうとすると、さらに上に上げられる。


「誰も渡す、
なんて言ってねぇだろ。」

眉間にシワを寄せ、
お得意の不機嫌な顔。


「いやいや。
返してもらわないと困るんですけど…」

相手が教科書を持ってる手前
あまり強気にはなれない。




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