最低男に恋をして。
「嫌か?」
「嫌もなにも…」
少し弱気になった彼にたじろいてしまう。
嫌ではない。
まぁ、教科書に対する代償としてはちょっと面倒すぎる気もするけど…。
どっかでちょびっと、
ほんの少しだけ
この最低男をもう少し研究したい気もするから。
「っあ、安心しろ。
襲ったりはしないから。」
「あ、当たり前でしょっ!!」
やっぱ、これは危険かも…。
「じゃ、そういうことで。
また明日。」
ヒラヒラ手を振って帰ってしまった高嶺悟。
「勝手に決めないでよ。」
さっきまでは
弱気だったくせに。
っていうか、
教科書もらってないし!
「はぁ。」
この日から
私のありきたりな毎日に、
少しずつ、色がつきだした。