最低男に恋をして。
3
大切な人
あれは、
どういう意味だろう…。
「守ってやりたくなる理由……。」
自分で言ってみて、
私は真っ赤に染まる。
やばい、やばい…。
あの男になんでこんなに心かき乱されてんのよ。
「あーもー!!」
今日はまだ弟も帰ってきてなくて、家に1人なのをいいことに思いきり叫んだ。
あの後、高嶺悟は
『送る。』
一言つぶやいて、
私の鞄を持って立ち上がった。
いつもみたいに
言い合いをしたり…
なんか笑い合ったり…。
そんなことはなく。
私は高嶺悟の大きな後ろ姿を見ながら、ゆっくり歩いた。