最低男に恋をして。



「茉莉子は有名人だから、
噂はすぐ伝わるよ。」

「有名人…?」

私は面だって目立つようなタイプじゃないと思うんだけど…?

ケンカとか、しないし。



「うん、茉莉子は可愛いから」

ドクン
胸が大きく跳ねた。

でもこれは、
言葉を思い出したから。


『最近のお前は、可愛いと思う』

真面目な顔をしてそう言った高嶺悟を思い出して、胸が苦しくなった。


「茉莉子?どうかした?」

「あ、うんん。
なんでもない」




あぁ。

だめだだめだ。


頭ん中、
高嶺悟だらけ……。



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