きっと、最期の恋だった【完】



それは戦国時代



彼女と彼が住んでいたのは、
貧しい田舎だった。




「最近、戦が多いな。美代。」


「そうですね、太一さん。ここは田舎だから、被害がないけれど。」




農業を家業とする美代と太一は、
働きながら話していた。


幼い頃を共に過ごしてきた二人の関係は
所謂、幼なじみ。




「…俺も、戦力として戦に出なきゃいけないときがくるんだろうな…。」


彼がぼそりと
独り言のように呟いた言葉に、胸が締め付けられる。




―――好き、なんです。


幼い頃から
美代は太一を想っていた。





< 2 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop