きっと、最期の恋だった【完】
それは戦国時代
彼女と彼が住んでいたのは、
貧しい田舎だった。
「最近、戦が多いな。美代。」
「そうですね、太一さん。ここは田舎だから、被害がないけれど。」
農業を家業とする美代と太一は、
働きながら話していた。
幼い頃を共に過ごしてきた二人の関係は
所謂、幼なじみ。
「…俺も、戦力として戦に出なきゃいけないときがくるんだろうな…。」
彼がぼそりと
独り言のように呟いた言葉に、胸が締め付けられる。
―――好き、なんです。
幼い頃から
美代は太一を想っていた。