きっと、最期の恋だった【完】
けれども、
近く遠いこの関係を崩したくはなかった。
だから、美代は伝えなかった。
「私は…、豊かにならなくても、戦がなくなればそれで良いのに。」
正直
誰が天下統一しようが
どうでも良かった。
身分の高い人の欲による戦など、なければ良い。
太一が居てくれれば
それだけで…。
「そうだな。…俺も、戦は嫌いだな…。」
「えぇ。」
――きっと
(私とあなたでは、…理由が違うのです。)