お隣さん〜近くて遠いキミとの距離〜
でもなんでまだあたしが郁の隣なのかというと、
あたしたちのクラスはけっこう自由に席を決めれる。
だから、あたしと郁は前のまま席を変わらず、同じ場所にしてもらった。
あたしたちが付き合ってるって知っているみんなは、冷やかしながらあたしたちの席をそのままにしてくれた。
あたしの左は郁で右は窓っていうのは前と変わっていないけど、
前の席にユリが来た。
だから今の席はあたしにとってすごく楽しい。
すると、郁が目を覚ましたみたい。
「あー眠っ!てか、紗枝呼んだか?」
「やっと起きたっ。見て!留学生の女の子すごくかわいくない?」
「留学生…?」
そう言って視線を前に移した郁。
「え…」
でもなぜか、驚いた顔をする郁。