お隣さん〜近くて遠いキミとの距離〜



よし、少しでも長く温泉にいよう!



………。



だけど、ずっといたらのぼせてきちゃうわけで…。



あたしの頑張りもむなしく温泉を出ることになった。



なんか、フラフラする…。



部屋に戻ると郁も温泉から帰ってきたようだった。



「長かったな」



そう郁に言われたけど、答える気力なんてなくて。



フラッと倒れかかった。



「うわっ、大丈夫か?」


「うん…」



それを支えてくれた郁。



「うんじゃねぇだろ。顔赤いし。のぼせたんじゃね?」

「ははっ…。そうかも…」

「とりあえず外行くか。冷やしに行くぞ」



そう言われて、郁に支えられながら外に出た。



あ…ちょっとよくなってきたかも。



まだ少し頭がクラクラするけど、さっきよりはだいぶマシ。



「どうだ?よくなってきたか?」

「うん。さっきよりは…」



郁って、そういうところもあるんだ…。



意外と、イイ奴じゃん。


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