お隣さん〜近くて遠いキミとの距離〜


あたしも最近は郁のことばかり考えてて。



ユリのことに気づいてあげられなかった。



ごめんねユリ。



そう思っていたら突然ユリが話し出した。



「…そうだよね。あたし、別れる」

「うん」

「今までも何回か考えたんだ。だけど、もう決心したよ」

「うん」

「ありがとうね紗枝。今の言葉で目が覚めたよ」



なんか、ユリにそんな風に言われると照れるなぁ。



でも、よかった!



「よしっ。じゃ、あたし今から彼氏んとこ行ってくる!」

「えっ、今から!?」

「うん!浮気相手が部屋にいても、あたし負けないっ!」



そう言って店を出て行ってしまった。



頑張れユリ!!



ユリが出て行ってしばらくしてあたしも席を立った。



それじゃ、あたしも帰ろっと。



って…ん!?



ユリ、ここのお金忘れてるよね!?



あたしが2人分払うの〜!?



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