お隣さん〜近くて遠いキミとの距離〜


次の日、学校に行くとユリがあたしのところにやってきた。



「紗枝、顔ひどい」

「うぅ…。今それを言わないで」



あたしの顔は昨日眠れなかったせいで目の下にひどいクマができていた。



さすがに今日は郁には先に学校に行ってもらい、別々に来た。



「で、何があったのよ」



呆れたように言うユリ。



あたしとユリは1時間目の授業をサボって屋上に来ていた。



屋上は鍵がかかってないからいつでも出入りできる。



「郁に好きな人がいた…」

「好きな人がいたくらいで落ち込んでどうするの」

「でも…」

「紗枝は考えすぎなんだよ。当たって砕けろぐらいの気持ちでいきなよ」

「そっ、そんなに?」



たしかに、今の関係を壊したくなくて遠慮してた部分もあったかも。



そうだよね…。



もっと、積極的にいかないと。



気持ちを伝えるだけでもいい。



この気持ちを伝えたい。



郁のことが好きだって知ってほしい。


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