お隣さん〜近くて遠いキミとの距離〜


夢みたいで、でも夢じゃなくて。



すごくすごく幸せだった。



その日は、いっぱい話した。



いつから好きだったのかとか、そんなことも聞いた。



そしたら帰り道なんてあっという間で。



もう家の前まで来てしまった。



ここでお別れかぁ。



「隣だけど寂しいな…」



思わずそう言ってしまった。



「あっ、ごめん!今のなし!」

「なんで?嬉しかったのに」



自分でもかぁっと顔が赤くなるのがわかった。



「だって…」

「俺んち寄ってく?」

「えっ?」

「離れるの寂しいんだろ?寄ってけよ」

「…うん!」



そしてあたしは郁の家に入った。



って言っても、隣なんだけど。



でも、なんだか今日は緊張した。



郁と恋人になったからかな?



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