腐っていてもよければ
告白
「好きです。付き合ってください」

ついに言ってしまった。

人生で初めて男の子に告白をした。

相手は、1年の時から同じクラスの藤咲大和(ふじさきやまと)くん。

席も近かったり、委員会が一緒で何気に話したりすることが多かった。


藤咲くんはお話も面白くて、何より優しい人。

みんな用事があるからと、掃除を押し付けられた時も黙って手伝ってくれた。

「塾だ、習い事だ、って言ってやることやんねぇ奴が上達できるわけがない。朝宮を見習えってんだ」

そう言って笑ってくれた。

もうその顔を見れただけで、一人での掃除も辛くなんてなかった。

多分、その時から好きになった。三年に上がってクラスが離れてしまった。このままただの同級生でいたくなかったから、思い切って告白した。
< 1 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop