腐っていてもよければ
この家にはモンスターがいる。

夜になっては、巣穴から出てくる。

この家に助けてくれる人なんていないから、鍵付きのドアに変えた。

早く朝になって。そうすれば、モンスターは巣穴に変えるから。


モンスターはドアが開かないと分かると、階下に下りて行った。

そこで食べ物を漁るんだろう。明日の朝のキッチンが怖いな。

布団も温まって来るとだんだん、眠くなってきた。

夢の中だけでも幸せであって欲しい。

良い夢を見れますようにと、ケータイと藤咲くんの本を抱きしめて目を閉じた。
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