腐っていてもよければ
まるで夢みたい。藤咲くんと付き合える。

恋人になれるなんて。

「ただし」

夢に酔いしれかけたとき、藤咲くんは私に一冊の本を渡して来た。

革のカバーがかけてある本。なんの本だろう?

まさか英語の本とかが読めるようになることが条件とか?

英語とかさっぱりできませんよ。

「英語とかできません」

最初からそれはお伝えしないと。

「オレもできねぇよ。そうじゃなくて」

恐る恐る本を開いて見る。タイトルは、『イグニッションラブ』。恋愛小説なのかな?

女の子が読むような本が好きで、それが恥ずかしいとかなのかな?

本は私も好きだし、恋愛小説も見るから大丈夫。

あ、挿絵もついてる。

ライトノベルなのかな?

ペラペラっと挿絵をめくると、少女漫画っぽいイラストがあった。
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