腐っていてもよければ
「よろしくお願いしますっ」

BL小説を握りしめて、頭を下げ、手を出した。

こんなシーンどっかでみたことある。

私は藤咲くん腐男子だろうと関係ない。

藤咲くんが大好きだと心から叫べるから。

「こちらこそ。よろしく、千鶴(ちずる)」

ギュッとその手を握られた。

名前、知っててくれたんだ。

顔をあげると、藤咲くんはさっきのしてやったり顔じゃなくて、ニッコリと笑っていた。

その顔がかっこよくて、思わず見とれてしまった。

「じゃあそれ、きっちり読んでね」

と小説を指差して来た。

「はい」

「オレ色に千鶴を染め上げてあげる」

いきなり耳元で、囁かれた。

私の生活が大きく変わった。
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