帰ってくる場所
和也との出会いは中学3年。
サッカーをやっていた和也。そんな和也に片想いしたあたし。1、2年とクラスが別でその存在すら知らなかったのに、まさか体育のサッカーの授業で一目惚れするだなんて思いもしなかった。
そっから必死だった。
少しでも仲良くなるために、同じ委員会に入って、毎朝勇気をだして挨拶して、猛勉強して同じ高校を受験して。
そして、無事に入学が決まった冬。勇気を出して告白した。
「ありがとう。嬉しいよ。よろしくな」
和也は優しかった。
いつだってみんなの輪の中心にいた。
スポーツ万能で勉強もそれなりに出来た。
高校入学と同時に生徒会にも入った。
自慢の彼氏、そんな言葉がよく似合っていた。
あたしとの仲も上手くいっていた。
多分、結構なバカップルで有名だったと思う。
ただ、そんな和也にあたしは不釣り合いだった。