帰ってくる場所

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視界が霞む。
あ、寝起きだ。
そんな冷静な感覚の中でゆっくりと瞬きをした。

畳の香りが自分の部屋でないことを物語る。

「ん~………早っ」

起き上がってすぐに目に入った時計を見て驚いた。
時間は、7時。夏休み中にこんなに早く起きたことはない。
田舎の人は早起き、なんて聞くけど、これは泊まりにきただけの人間にも効果があるのだろうか。

「おはよう、おばあちゃん、おじいちゃん」

あたしは写真に手を合わせたあと布団をたたみ部屋を出た。



洗面台の前に立つとぼっさぼさの髪に眠たそうな顔が映る。
顔を洗ってタオルで拭くと、

「あっ」

「へっ?」

突然聞こえた声にタオルから顔を出すと鏡には自分と一緒に見知らぬ男が映っていた。

茶髪短髪、体はガッチリとしていて身長は180cmを軽く越えてそう。耳には、どこにそんなに穴が空けられる?と疑うほどピアスがついていて、田舎町には似合わない"不良"がいた。


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