帰ってくる場所


それからしばらくしてみんなが起きてきて6人で朝食を済ますと絢音ちゃんは仕事に向かった。

「じゃぁ、ほたる。波奈のことよろしくねぇ」

波奈、行ってくるけぇ、なんてニッコリ微笑んで柔らかい頬を突くと波奈ちゃんはクリクリの目をぱちぱちさせてママを見送った。

「さてと…」

腕の中でおとなしくおさまる波奈ちゃん。パパの雅人さんは絢音ちゃんより少し前に仕事に向かわれた。
あたしは美恵子おばさんのいる台所へ向かった。

「おばさん」

「はぁい」

「あたし、何したら良いかな?」

波奈ちゃんは抱き直しながら尋ねると美恵子おばさんは「あらあら」と笑った。

「子守なんて難しそうやけぇど、そんなに何をやらなくちゃいけぇことなんてないのよぉ。波奈と遊んであげるだけで波奈は嬉しいし、まだ赤ちゃんやけぇ、すぐに眠たくなるからねぇ」

美恵子おばさんの言葉に頷いてあたしは部屋に戻った。


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