帰ってくる場所

――――――――――
――――――――
――――――

「ほたるぅぅぅぅ~!!!!」

「あやぶひゃ!!」

ドスン、なんて音が合いそうなくらい見事に尻餅をついたあたし。それもそのはず。

「ほたる!ほたるほたるほたるぅぅぅ!!」

「あ、絢音ちゃん…ぐ、ぐるじぃ…」

駅を出てすぐ絢音ちゃんはあたしを見つけたらしく、まるで猪のようし突撃してきた。細くて綺麗だけど田舎の畑仕事で鍛えられた腕に思いっきり抱きつかれたら、

「ぐっ……ぐるし……」

「ほたっ!?ほたる!どしたんけぇ!?生き返んしゃぁ!!」

バシバシ頬を叩かれたあたし。
うん、次は頬が痛いっす。

< 5 / 34 >

この作品をシェア

pagetop