帰ってくる場所

「久しぶりやけぇね!もう2年振りやけぇ。ずいぶん綺麗になったやねぇ、ほたる」

絢音ちゃんはあたしの荷物のキャリーバッグを引きながらニッコリ笑った。
お母さんのお母さん、つまり、あたしのおばぁちゃんの妹さんの娘さんの娘さんにあたる絢音ちゃんはあたしの1っ上のお姉さん。最後に会ったのは2年前のそう、

「おばぁちゃんのお葬式振りだもんね」

お母さんのお母さんは2年前に亡くなった。もとからあまり体が強い方ではなく、しょっちゅう熱をだしていた。そして、2年前も39度を超える熱を出して呆気なく亡くなってしまった。もう、体力の限界だったのかもしれない。ただ、有り難かったのは、おばぁちゃんが熱に慣れていた体だったからか、静かに眠るように亡くなったこと。
お母さんは泣かなかった。「あの人らしいなぁ、本当に」そう言って笑ってた。母、強し。


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